成長発達のあれこれ情報

【図形編】【1歳】描けなきゃヤバい!?

今回は1歳児の発達段階と図形描画の関係性について書きました。

1歳になると、自分で動こうとすることが多くなり、手足の機能面にも発達がみられるようになります。 ‘‘図形‘‘とまではいかない段階ですが、図形へのステップを着実に登っている段階なので、ぜひ時間があるときにトライしてみてください。

なぐり描き

1人でできたら1歳11日の段階、お手本ありでできたら生後4カ月の段階にいることが分かります。

実施方法

紙(B4判)とえんぴつ用意したら、えんぴつ(10cm~15cm)を目の前に置き、「なにかかいてごらん」と子どもに言葉を掛けます。

発達のあれこれとクリア基準

子どもが自発的に腕を動かして、画用紙の上にえんぴつで何かを残すことができたらOKです。つまり、私たちが想像している「なぐり描き」でなくても大丈夫です。例えば「線」を描かなくても、腕を自発的に動かしていれば、「点々」を描くだけでもOKなのです。(実際には、「点々」、「往復する線」「回転する線」の順で発達していくと言われているのでその部分の違いも意識してみるとおもしろいです。)

「なにか描いてごらん。」と言葉を掛けて、できたら生後1歳11日の段階にいることが分かります。言葉を掛けても反応がないときには、「こんなの描いてごらん。」とグルグル縦のらせん状)を画用紙の上端に描いて見せましょう。お手本をみてできたら、生後118日の段階にいることが分かります。

描画例

クリアにならない基準

この発達段階の前段階として、「描画に関心をもたない」時期があり、‘‘えんぴつに興味がない‘‘ 、‘‘口に入れる‘‘、 ‘‘持って振り回す‘‘、 ‘‘芯がない方をこすりつけている‘‘等の行動が見られると、不合格となってしまします。

円錯画(ぐるぐる)

クリアできたら1歳と80日の発達段階にいることが分かります。

実施方法

紙(B4判)とえんぴつ用意したら、えんぴつ(10cm~15cm)を目の前に置き、「なにか描いてごらん。」と言葉を掛けた後に、「こんなのを描こうね。」と「あなたもかいてごらん。」と言って、紙の上端にぐるぐるとらせん状に円を描いてみせます。反応がない場合は再度言葉掛けをします。

発達のあれこれとクリア基準

‘‘なぐり描き‘‘のときにもあった、‘‘回転する線‘‘を描く力が関係してきますね。こちらは評価の判断がやや難しいですが、左右への往復が中心になっていないか丸みを帯びていて鋭くとがった角がないか等をポイントにして見てみてください。

クリア基準例

不合格基準例

注意点

今回はK式発達検査に基づく発達理論の紹介でした。発達には個人差があり、必ずできなくてはいけないものではありません。あくまで発達の過程をみるものです。温かい気持ちで子どもの成長を見守る中で、1つの知識として、子どもとの関わりに生かしてみてください。

(参考文献:新版K式発達検査にもとづく発達研究の方法 著 中瀨 惇)